治療情報&ネット検索術 困っている人のための検索ガイド─1

何が起きているのか分からなくて困っている方へ

心身の状態がいままでとは明らかに違うけれど、自分に何が起きているのか分からない。病院へ行くべきなのか、行くとすればどこへ行けばいいのか、ネットで情報収集しようにも、どう調べていいかも分からない。そんなときは、次の方法を試してみてください。

まずは症状(状態)で検索する

気になっている症状(状態)を、そのまま検索してみましょう。「体がだる重い」「心がずっと晴れない」「夕方になると頭痛がする」「お腹が空くのに食べられない」「寝ているのに朝起きられない」など、思いつくままの書き方で大丈夫です。
検索条件を「完全一致」にあえて設定しない限り、検索結果一覧には、聞きたかったことに近い内容のページが表示されます。
ちなみに、「誰ともしゃべりたくない」で検索したら、「誰とも話したくない」という一般的な言い方に自動変換してくれました。

検索結果が出たら、次のような順番で見ていくと効率的でしょう。

①結果一覧のタイトルと説明書きを見る

検索結果一覧に並んだタイトルとページの内容説明から自分が知りたいことが書かれているかどうか判断します。また、タイトルの後ろに、「厚生労働省」「教えて!goo」「NAVERまとめ」など、そのページが何のサイトなのか一目で分かる言葉が入っている場合は、信頼性(※)もおおよそ分かります。自分に何が起きているのか手探り状態のときは、できるだけ幅広い情報が掲載されていそうなサイトから見ていくことをおすすめします。

体がだる重い - Google 検索※信頼性についての詳細は「企画05:情報はどうやって探せば良いか?」をご覧ください。

②気になったページをざっと見る

気になるページが見つかったら、実際にそのサイトへ行ってみましょう。そして、まずは書かれていることをざっと見てみます。たとえば、何が起きているのか分からないうちから、「治療法」について書かれているページを読むのは本末転倒です。また、専門知識のない一個人の経験で書かれているサイトは、情報が偏っている可能性があります。同じ症状(状態)の人が何を感じてどう対処しているのか、とても参考になる情報ではありますが、この段階では深く入り込まないほうが良いでしょう。①で書いたように、心の病に限定せずさまざまな可能性を示唆してくれるサイトのほうがベターです。
もう一つ、意識して見ると良いのが「記事中にリンクが貼られているかどうか」です。手探り状態からの情報収集は、知らない言葉との遭遇の連続です。専門用語などは、まるで外国語を読んでいるかのようです。そんなとき、詳しく知りたい言葉や参照したい内容にリンクが貼られていると、本当に助かります。知りたい内容が同じ程度で書かれているサイトがいくつかあった場合は、リンクが貼られているサイトを参照するほうが効率的です。

③チェックシートを探す

参考になりそうなサイトをいくつか見つけたら、そこで初めてじっくり内容を読んでいきます。そして、たとえば「もしかしたら、自分は双極性障害なのかもしれない」などと目星がついてきたら、チェックシートで自己診断をしてみましょう。チェックシートは「双極性障害 自己診断」「双極性障害 セルフチェック」などで検索すると見つかります。

Q&Aサイトを利用してみる

いろいろなサイトを調べても、いまひとつピンとこなかったり、ピンポイントで聞きたいことがある場合は、Q&Aサイトを利用してみましょう。たとえば、以下のようなサイトがあります。

一般的なQ&Aサイト

OK Wave
http://okwave.jp/

教えて!goo
http://oshiete.goo.ne.jp/

Yahoo!知恵袋
http://chiebukuro.yahoo.co.jp/

発言小町
http://komachi.yomiuri.co.jp/

医療専門Q&Aサイト

保団連家脳相談サイト(無料会員登録制)
http://faq.doc-net.or.jp/index.php?app=default&doc=home

ドクターズミー(有料:月額324円~)
https://doctors-me.com/

アスクドクターズ(有料:月額324円)
https://www.askdoctors.jp/

一般的なQ&Aサイトは、匿名でのコミュニケーションが原則で、質問する側としては、誰にも知られず病気のことを聞けるのが大きなメリットです。しかし、同時に回答する側も匿名で書き込めるため、本当に専門的な知識に基づく回答なのかどうか分からない、というデメリットもあります。それが不安な場合は、「OK Wave」「教えて!goo」「Yahoo!知恵袋」などの大手サイトでは、専門家を指名して質問できるシステムが導入されていますので、そちらを使うことをおすすめします。なお、医療専門サイトの回答者は、確認した限りは医師が行っています。Webコミュニケーションの特徴を理解して、上手に活用してください。

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