
心に働く運動:サイクリング
サイクリングは、通勤、通学、買い物などのついでにでも行える手頃な運動療法です。身体への負荷が比較的軽く、変化する景色を楽しむこともできるので、もともと体を動かすのがあまり好きではない人にもおすすめです。競技並みにスピードを出すと無酸素運動になってしまうので、普通に街中を走るときのように15~25km/hくらいのスピードで、1日合計30分~1時間程度、週2~3回が運動量の目安です。
サイクリングが心に効く理由
- セロトニンを活性化させる
セロトニン研究の第一人者である有田秀穂氏は、「リズム運動がセロトニン神経系を活性化させる」と論文で発表し、自転車こぎの動作もその一つに挙げています。
- 不足すると冬季うつ病の原因になるといわれるビタミンDの生成を促す
屋外で30分から数時間を過ごすことで太陽の光を浴びることになるため、ビタミンDの生成が促されます。ビタミンDは脳の神経細胞を保護し、記憶力や判断力を向上させるほか、不足すると冬季うつ病の原因になるといわれる栄養素です。
- 脳が活性化する
自転車に乗っているときは、刻々と変化する周囲の状況に注意を払わなければなりません。一瞬の判断が求められることもあります。こうしたことが、脳のトレーニングとなり、働きが低下した脳を活性化してくれます。
- 五感を刺激される
自転車に乗っていると、外気を肌で感じることができます。さまざまな風景が目に入ったり、音や匂いを感じるなど、五感を刺激されることが数多くあります。これにより、生きている実感を得られます。とくに、風を切って走る爽快感は格別です。
これらの多くは実際に屋外を自転車で走ったときの効果ですが、室内のエアロバイクでも、有酸素リズム運動としての効果は得られます。屋外を走行するのに不安感や恐怖感がある人は、ジムなどでエアロバイクを試してみるのも良いでしょう。
サイクリングを始めるにあたって
- 自転車の選び方
自転車には、シティサイクル(ママチャリ)、ロードバイク(舗装道路用)、マウンテンバイク(オフロード用)、クロスバイク(ロードバイクとマウンテンバイクの中間タイプ)などの種類があります。運動療法ではスピードは出さないので基本的にはママチャリで十分ですが、乗り慣れているタイプがあればもちろんそれがgood!
- 装備
街中や近所の公園などを走るのであれば特別な装備は必要ありませんが、安全のためにヘルメットは着用しましょう。
- 場所
近所の街中(公道)でも構いませんが、信号などで十分な運動継続時間を得にくいことがあります。近場に自転車走行が可能な公園などがあったら、積極的に利用しましょう。
- 注意点
自転車は道路交通法の取り締まり対象です。公道での飲酒運転、過労運転、信号無視、無灯火、傘さし運転、スマホながら運転、イヤホン・ヘッドホンを着けての運転などは道路交通法違反となります。
【自転車編】みんな知らずに捕まる道路交通法15選!家族に教えてあげたい
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