心に働く運動:ジョギング

ジョギングは、有酸素運動のなかでも「笑顔で走れる」ほどの適度な負荷で、挑戦しやすい運動です。
ジョギングは運動不足やストレス解消、ダイエットだけでなく、うつ病などの精神疾患の改善にも効果的で、最近では医療の現場でも取り入れられています。

ジョギングが心の健康を促す

精神疾患の改善に期待

自治医科大学では、うつ病の患者が医師の指導のもとジョギングを開始したのち、脳の血流増加をはじめ、社会不安や自信欠如などからの改善がみられ、入院後144日で退院し職場復帰を果たしたという症例が報告されています。

ぐっすり眠れる

日差しのもとでジョギングした日は、イライラや落ち込みから開放され、体内時計や自律神経系が整って睡眠が深まります。これは、太陽光を浴びることで体内に分泌されるセロトニンによる効果であるといわれています。

感情をコントロールできる

ジョギングをするとストレスが減少し、感情のコントロールがうまくできるようになります。これは走ることで抗ストレス作用のあるホルモン(コルチゾール)が分泌され、ストレスを解消するためです。
さらに、ドーパミンが分泌されて集中力が高まることもわかっています。

ジョギングとランニングはどう違う?

ジョギングとウォーキングの違いは「走る」と「歩く」で明快です。
では、ジョギングランニング、このふたつはどうでしょうか。
どちらも走ること、有酸素運動という共通項があるものの、実は似て非なるもの。
ウォーキング・ジョギング・ランニング3つそれぞれの目的やスピードの目安など、特徴をまとめました。

目的消費カロリー(体重60Kgの人の場合)の目安スピードの目安心拍数(50歳・安定時心拍数70の人の場合)
ウォーキング健康増進約176kcal
(時速3kmで歩いたとき)
「ラクに歩ける」〜「ちょっとキツイ」と感じるペース1分間に120拍前後で行うことが適切
ジョギング準備運動

健康増進
約270kcal
(時速5.5kmで走ったとき)
時速3〜5km程度
(笑顔や会話を保てる速度)
1分間に110~130拍の間で行うことが適切
ランニングレースのための
トレーニング

趣味
約522kcal
(時速8kmで走ったとき)
時速6.4km以上を推奨1分間に130〜150拍の間で行うことが適切

心拍数をペースメーカーに

ジョギング笑顔で会話しながら走れますが、ランニングは息が弾み、会話しながら走ると苦しいと感じます。こうした「楽・きつい」と自覚できる感覚のほかに、運動量によって体への負担がどれだけかかっているかを測れるのが心拍数です。ジョギングをしていて心拍数が130を超えるようならペースを落としたり歩いたりして調整するなど、運動量の参考にしてみましょう。
10秒間左手の動脈で測った心拍数に「×6」をしたものが1分間の心拍数。
表では、ウォーキングとジョギングの心拍数に大きな差はないのに、1時間あたりの消費カロリーはジョギングのほうが約100kcalも大きいことがわかります。

ジョギングのペース配分と時間

最初の2分間は肩や腕を伸ばすストレッチをしながらウォーキング
その後、1km7〜10分ほどのペースで20〜30分ほど走ります。息切れはオーバーペースのサイン。気持ち良いと感じるスピードで走りましょう。
ランニングより楽とはいえ、走る態勢は重要です。体を安定させるために腕をしっかり振り、背筋をしっかり伸ばしましょう。深い呼吸ができ、必要な酸素を十分に取り込めるようになります。

※注意
ジョギングをしていて、万が一気持ちの良い汗ではなく、ひんやりした汗をかいたり気分の悪さを感じた場合は無理をせずに休みましょう。

ジョギングの始め方と継続のコツ

効果的なジョギングを長続きさせるために、以下のことを意識して実践してみましょう。

コースを決める

コースを設定すると、走る自分を具体的にイメージでき、走った距離を把握しやすくなります。自宅近くの大きな円周状のコースで、走っている人が多い場所が良いでしょう。

習慣化の種をまく

走る日に聴く音楽やオーディオブックを事前にピックアップしておいたり、SNSで「明日は何時に走ります」と宣言したり、就寝前にジョギングウェアに着替えるなどの工夫が習慣化につながり、「続けられた」という成功体験がさらにモチベーションとなります。

ウォーキングから始める

初めてジョギングをする人は、体が運動習慣に慣れるまで、ウォーキングから始めてみるのもよいでしょう。
(ウォーキングについての記事はこちら

最初は代謝が悪く汗をかけなかった人も、慣れてくるとすぐに汗をかけるようになります。15分でじわっと、20分でドッと汗をかいて爽快感が体を駆け巡り始めたら、しめたもの!ダイエットや美容、脳活動そしてメンタル面への好影響など、多岐にわたって効果のあるジョギングを生活に取り入れてみませんか。

 

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