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心に良い食事の摂り方─1 知っていますか?「心」と「食事」の良い関係

知っていますか?「心」と「食事」の良い関係

心の病は食べ物が原因?

近年、心の病の生理的な仕組みがどんどん明らかになってきています。心のバランスが崩れているとき、ほとんどの場合、脳の働きに異常が認められるそうです。脳の中で情報伝達を司る物質(神経伝達物質)が不足していたり、過剰だったりすると、通常とは違う心の状態に陥ってしまうのです。
このような異常が起きるのは、神経伝達物質の原料が、バランス良く、タイムリーに体内に摂り入れられていないことが大きな原因として挙げられます。神経伝達物質の原料とは、タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素であり、私たちは、これらを食べ物から体内に取り入れています。つまり、適切に食べ物を摂取しないと、脳の神経伝達物質の異状が起こり、心のバランスが崩れてしまう可能性があるのです。

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神経伝達物質と心の動きと食べ物について

こんな食べ方をしていたら要注意!

心の病の原因は一つではありませんが、食べ物が大きく影響していることは間違いないといえるでしょう。そこで、心の不調を感じたら、やってほしいことの一つが食生活のチェックです。下記のチェックリストの中で、一つでも当てはまったら要注意。その食べ方を続けていたら、脳は栄養不足となり、心のバランスを崩してしまうかもしれません。

  • 偏食で好きなものしか食べない
  • お腹がふくれれば内容は気にしない
  • ダイエットなどで食べる量が極端に少ない
  • 忙しくて食事を抜くことがよくある
  • 間食が多く、缶コーヒーやジュースもよく飲む

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このような食べ方がどうして良くないか

人類の大きな勘違いから「常識」になった? 食べてストレス解消!の勘違い。──同じようでまったく違う!「食べる快感」と「食べてストレス解消」。

ストレスでチョコレートをやけ食いする女性

「栄養素やカロリーも大事かもしれないけれど、食べるたびに気にしたり、我慢したりでは、かえってストレスが溜まりそう。体は自分に必要なものを知っているとも聞くし、好きなものを自由に食べたほうが心に良いのでは?」。そんな疑問を持つ人は、少なくないでしょう。確かに、好きなものを好きなだけ食べるのは快感かもしれません。でも実は、その裏で、さらにストレスを溜めてしまう可能性があるのです。

たとえば、仕事や勉強で頭を酷使したとき、砂糖たっぷりのお菓子が欲しくなる経験は、誰にでもあるでしょう。確かに、脳のエネルギー源は、上白糖、グラニュー糖、三温糖などの砂糖に多く含まれるブドウ糖です。でも実は、甘さの少ない白米、パン、ゴボウなどにもブドウ糖は含まれています。しかも、砂糖と白米とでは糖の分子結合状態の違いからくる消化吸収が違うため、砂糖より白米のほうがスピーディにブドウ糖を脳に送ることができるのです。つまり、頭の疲れを早く回復させたいとき、生理学的には、お菓子よりおにぎりのほうが有効だということ。それなのに私たちは多くの場合、おにぎりではなくお菓子を選んでしまうのです。

これは、ある研究者によると、人類の歴史的経験から生まれた「勘違い」が影響しているのだとか。昔、ヒトは甘い果実を食べると疲れが取れることを経験的に知り、「甘い味=体に良い」と考えたらしいのです。しかし実は、疲れを取っていたのは主にビタミンCの働きでした。
舌に感じる味が甘ければ甘いほど、私たちは「効く」と思い込んでいるのかもしれません。でも、その思い込みにはまると糖分の過剰摂取になり、低血糖症やイライラを引き起こし、結局は心身にストレスを与えることになるのです。本当の意味での「食べてストレス解消!」は、体に負担をかけない食べ方をすることです。

糖の摂取のしかたについては非常に奥が深いので、「心に良い食事の摂り方─3」として、2015年12月にアップの予定です。

では、「心に良い食べ方」とは?

それは、1日3回、栄養バランスの良い食事を、適量ずつ食べることです。ただ、ストレスに振り回されていると、栄養バランスなどあまり考えられません。食べる分量にしても、「必要な栄養素を必要なだけ摂る」という本来の意味での適量ではなく、「目の適量」や「気分の適量」になってしまいがちなので、そこは注意が必要です(適量については、後日別ページでもう少し詳しく説明します)。

また、心の状態によって積極的に食べてほしい食品が少しずつ違うので、いまの状態に合った食品を選んで摂るようにしましょう。どんな状態のとき、どんな食品を食べれば良いのかについては、「心に働くレシピ」をご覧ください。簡単につくれるレシピ付きです!

次は…食べ方を変えれば心が変わる!

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