抑うつ障害(うつ病)で悩む後姿_ケーススタディ

心の病気の症状別ケーススタディ「うつ病(抑うつ障害/大うつ病性障害)」(気持ちが落ち込み何もできない)

【CASE】「うつ病(抑うつ障害/大うつ病性障害)」(気持ちが落ち込み何もできない)

最近、集中力がなくなり仕事を効率よくこなすことができなくなったと感じる。「早く仕事を終わらせなければ」と気持ちは焦る一方、なんとなく倦怠感があり、やる気が出ず、そのためかイライラしてしまう。
以前は会社帰りに同僚と飲みに行くのが楽しみだったが、最近では親しかった友人との会話ですら面倒に感じるほどで、誘われても断るようになってしまった。趣味だった読書への興味も薄れ、好きだったテレビドラマを見てもおもしろくない。
就寝しようと布団に入るがなかなか眠りにつけず、やっと眠ったと思っても眠りが浅いことが多い。
こうした「倦怠感」や「不安・焦燥感」、「趣味にも興味がわかない」といった傾向は、抑うつ障害(うつ病)の初期症状に見られる「感情の変化」「関心や意欲の喪失」に当てはまります。なかなか寝付けない「睡眠異常」も、やはり初期症状によく見られます。

うつ病の症状

抑うつ障害(うつ病)の症状には、心の変化(精神症状)と身体の変化(身体症状)があります。

精神症状

まわりの人から見ると、まるで人が変わってしまったのではないかと思うような状態が、主に3つの症状となってあらわれます。

1. 気持ちの変化

●気分が落ち込む。
●憂うつな気分になる。
●わけもなく悲しい気持ちが長く続く、または頻繁に起きる。
●不安でたまらない。
●イライラする。

2. 思考力の低下

●集中力が落ち、仕事の効率が悪くなった。
●簡単なことなのに判断や決断ができない。
●注意力が散漫になった。

3. 意欲・興味の喪失

●人と会ったり、話すのが面倒になった。
●今まで没頭していた趣味もやる気が起きない。
●好きだったことにも興味が持てない。
●何をしてもおもしろくない。

身体症状

1. 食欲や体重の増減

●お腹がすかない。
●何を食べてもおいしくない。
●甘いものなど、特定のものばかり食べたくなる。
●ここ1カ月で体重が数キロ減った、または増えた。

2. 睡眠の異常

●寝つきが悪い。
●夜、眠れない(または極端に長く眠る)。
●夜中や早朝に突然目が覚めてしまう。
●目覚ましが鳴るよりずっと早く目が覚める。

3. 疲労感と倦怠感

●運動をしたわけでもないのに、ひどく疲れている。
●洋服を着替えるなど日常の動作もおっくう。
●身体が重く感じる。

上記のほか、月経不順や性欲の低下などのホルモン系の異常、頭痛、下痢・便秘、肩こりなどの症状を伴うケースもあります。身体の不調で医師の診察を受けても原因が見つからない場合、うつ病である可能性があるかもしれません。また、症状が進むと、過剰に自分を責め「自分は必要のない人間だ」「この世からいなくなったほうがいい」と思い込むようになり、希死念慮(自殺願望)がわくことがあるので注意が必要です。

次に、うつ病(抑うつ障害/大うつ病性障害)の自己診断 [セルフチェック] を読む

または、うつ病(抑うつ障害/大うつ病性障害)の改善ステップ を読む

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