PTSDのフラッシュバックに苦しむ姿_ケーススタディ

心の病気の症状別ケーススタディ「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」(フラッシュバックに苦しむ)

【CASE】「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」(フラッシュバックに苦しむ)

大震災を経験して以来、当時の怖い体験を何度も思い出し、そのときの感覚やイメージが頭から離れなくなり、「また怖い思いをするのではないか」と、不安になってしまう。夜になるとその怖い体験を悪夢として見るようになり、よく眠れないことが多い。震災時の映像を見たり、話を聞いたりするだけでなく、震災を連想させるようなものを見るだけでも恐怖感に襲われるため、そういった状況を強く避けるようになったり、逆に当時の記憶をよく思い出せなくなったりすることがある。また、家具が軋む音が地震の記憶を蘇らせてパニックになるなど、精神的に過敏になったり、イライラして仕事に集中できなくなり、だんだん仕事への意欲が失われてきたような気がする。

こうした、トラウマ体験の記憶が鮮明に蘇る「フラッシュバック」やイライラなど「精神的な過敏」状態は、心的外傷後ストレス障害の症状に当てはまります。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状

生命の危機に関わるような体験をしたり、目撃したりした衝撃的な記憶がこころの傷(トラウマ)となって、その記憶が何度も思い出され、恐怖感が継続するのがPTSD(心的外傷後ストレス障害)です。初期症状としては、緊張感が続いたり、眠れなくなったりするほか、めまいや頭痛といった身体症状があらわれる場合もあります。そして、物事に集中できなくなったり、いつも何かを警戒している状態が続いたりする「過覚醒」、トラウマ体験を強く思い出すフラッシュバックや悪夢として見る「再体験」、強いショックからこころを守ろうとしてトラウマ体験を思い出すような場所やものを避ける行動をとったり、一部の記憶を喪失したりする「回避」が主な症状としてあらわれます。その結果、これまで何なくできていた日常生活を送ることが難しくなります。
つらい体験をすれば、食欲がなくなったり、眠れなくなったりすることはだれにでも起こることですが、次第にその記憶は薄れていくものです。しかし、PTSDの場合は、トラウマ体験の記憶が1カ月以上も継続します。人によっては、うつ病や不安障害などを合併したり、アルコール依存や摂食障害を引き起こすこともあります。

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