双極性障害(躁うつ病)に悩む姿_ケーススタディ

心の病気の症状別ケーススタディ「双極性障害(躁うつ)」(気分が不安定でキレやすい)

【CASE】「双極性障害(躁うつ)」(気分が不安定でキレやすい)

毎日多忙で残業が続き、身体はクタクタなはずなのに、自分でも驚くほど気分がいい。夜あまり眠らなくなり、そのまま次の日出社しても不思議と元気で、やる気に満ちあふれている。いろいろなアイデアが次から次へと浮かび、自信をもってどんどん提案するのだが、上司に受け入れてもらえないことが多い。同僚からも、「少し頭を冷やせ」などと忠告を受けたが、なぜそんなことを言われるのか理解できない。こんなに素晴らしい提案を採用しない上司に腹が立ち、暴言を吐き、そのまま家に帰ってきてしまった。
ところが数日経った頃、自分の言動を思い返しては落ち込むように。以前のような爽快感はなくなり、何をする気力もない。「この先うまくやっていく自信がない」など、ネガティブな発言が増えてきた。

こうした、「普段からは考えられない活発な言動」が続いたかと思うと、突然落ち込んで「ネガティブになる」傾向は、双極性障害(躁うつ病)の症状としてよく見られる「躁状態」時、または「うつ状態」時の症状に当てはまります。

双極性障害(躁うつ)の症状

双極性障害(躁うつ)とは、気分が病的に高ぶりすぎてしまう「躁」の症状とネガティブになる「うつ」の症状とが繰り返し現れる病気です。周囲の人が「いつもと違う」と思う言動があったり、攻撃的な言葉を発したりするのは、躁の状態です。一方、急に落ち込み、自己破壊的な思考をするようになるのは、うつへ転じた状態といえます。この時期はうつ病に非常によく似ているため見分けが難しいのですが、双極性障害とうつ病はまったく違う病気で、治療法も異なります。
双極性障害は、躁の症状に応じて「双極1型障害」と「双極2型障害」の大きく2つに分けられます。
双極1型障害は、重い躁状態がはっきりと現れます。ハイテンションが続き、些細なことで怒りっぽくなったり、借金してまで浪費したりと、社会生活や人間関係に支障をきたすこともあります。躁からうつへと転じると、うつの状態もはっきりと現れます。
双極2型障害は、躁と同じような症状が4日以上続くものの、社会生活や人間関係に差し支えるほどではないとされています。そのため、本人もまわりの人も「調子がいい」と感じ、病気のサインを見過ごしてしまいがちです。また、摂食障害や不安障害などを合併するケースもあり、実は深刻です。

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