心の病気の症状別ケーススタディ「統合失調症スペクトラム障害」(異常に猜疑心が強くなった)

心の病気の症状別ケーススタディ「統合失調症スペクトラム障害」(異常に猜疑心が強くなった)

【CASE】統合失調症スペクトラム障害(異常に猜疑心が強くなった)

不眠や食欲不振など体の不調を感じるようになった頃から、仕事の段取りの不手際やコミュニケーションにおける小さな行き違いが増え、精力的に取り組んでいた仕事への意欲が失われた。同僚や上司、家族と会話していても話が噛み合わず、相手をイライラさせたり、怒らせてしまったりすることが重なり、徐々に人と接することに不安を抱くようになっていく。仕事で大きなミスをしたのをきっかけに、周囲の人たちが自分のことを馬鹿にしているのではないか、陥れようとしているのではないかと猜疑心を抱き始めた。いつも自分ではない誰かに見張られている気がするようになり、「おまえは嫌われているんだ」「馬鹿な人間だ」、と頭のなかで自分ではない誰かに、監視され、自分を批判する声が度々聞こえるようになっていった。

こうした「周囲の人すべてが自分に敵意を持っている」「頭のなかに第三者がいて、自分を批判・批評する」という状態は、統合失調症スペクトラム障害のおもな症状である「幻覚・妄想」に当てはまります。

統合失調症スペクトラム障害の症状

アメリカ精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル」最新版(DMS-5)では、統合失調症を、症状が段階的に変化する連続体(スペクトラム)とみなしています。このスペクトラムを軽症から重症へと並べると、「統合失調型パーソナリティ障害」「妄想性障害」「短期精神病性障害」「統合失調症様障害」「統合失調症」となります。
統合性スペクトラム障害のおもな症状は、「妄想」「幻覚」「とりとめのない思考や支離滅裂な会話」「まとまりのない言動」「感情の平板化や意欲の欠如」の5つがあります。これらの症状の有無や程度、持続時間によって、スペクトラムのどこに位置づけられるかを判断します。詳しくは、「自己診断:統合失調症スペクトラム障害」の項目をお読みください。

統合失調症スペクトラム障害の症状は、大きく「陽性症状」と「陰性症状」に分けられます。
陽性症状は、周囲の人が自分のことを見下しているように感じる、いつも誰かに狙われているような気がするといった「妄想」と、頭の中で誰かの声がする、周囲の人の心の声が聞こえてくるなど、実際には起きてないことを感じる「幻覚」です。どちらも共通しているのは、自分という人格が否定されていると思い込むことです。
陰性症状は、前駆症状としても現れる体調不良、無気力、倦怠感などです。これらは妄想や幻覚を経験することで、さらに症状は進行します。感情に起伏がなくなり、物事への意欲が著しく低下するほか、何をするのも面倒な気がして、動作そのものも遅くなってしまいます。そうなると、仕事や生活の効率が悪化するのはもちろん、周囲から“サボっている”と誤解されたり、そのことで衝突するなど、コミュニケーションがとれにくい状態を招きます。そして、次第に人や社会と距離を置くようになっていきます。

次に、統合失調症の自己診断 [セルフチェック] を読む

または、統合失調症の改善ステップ を読む

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