パーソナリティ障害の女性_チェック

心の病気の症状別自己診断(セルフチェック) パーソナリティ障害

パーソナリティ障害

自己診断(セルフチェック)

【パーソナリティ障害全般】

1. 以下のA~Dについて、その人が属する社会の通念と著しく異なる行動様式が2つ以上ある。

A 物事の捉え方・解釈
B 周囲で起きたことや得た情報に対する感情的な反応
C 対人関係
D 衝動の表現

2. 1で「ある」と答えた行動様式は、時と場合に限らず行われる。

3. 1で「ある」と答えた行動様式は、精神的・肉体的苦痛を伴う。または、仕事や日常生活に支障をおよぼしている。

4. 1で「ある」と答えた行動様式は10代~20代初期に始まり、ずっと続いている。

5. 1で「ある」と答えた行動様式は、他の精神疾患や薬物等の影響ではない。

上記1~5のすべてに該当する場合は、「パーソナリティ障害」の疑いがあります。

なお、パーソナリティ障害は、3タイプ10種に分類されています。
そこで以下では、より具体的な10種の自己診断(セルフチェック)を、3つのタイプ別に掲載します。

A群:奇妙で風変りなタイプ

妄想性パーソナリティ障害

1. 以下のA~Gについて、4つ以上あてはまる項目がある。

A 確かな証拠はないが、いつも他人に利用されたり、だまされたり、危害を加えられるのではないかと疑ってしまう。
B 友達や仲間が信じられず、裏切られたらどうしようという思いが頭から離れない。
C 他人に弱みを握られるので「ここだけの話」は絶対にしない。
D ふとした会話や出来事の中に、自分への悪意やあざけりを感じてしまう。
E 侮辱されたり傷つけられたと感じたら、絶対に許せない。
F 自分を悪く言われたと感じたら、カッとなって反論や仕返しをする。
G 恋人や配偶者に対して、いつも浮気を疑ってしまう。

2. 1の状況が起きたのは、統合失調症、双極性障害、うつ病、自閉症を発症していたときではない。

上記1と2の両方にあてはまる場合は、「妄想性パーソナリティ障害」の疑いがあります。

【シゾイドパーソナリティ障害/スキゾイドパーソナリティ障害】

1. 以下のA~Gについて、4つ以上あてはまる項目がある。

A 家族を含めて誰とも親しくなりたくないし、親しくされるとわずらわしい。
B 誰かと一緒に行動することはほとんどない。
C 誰かとセックスすることに興味がわかない。または、ほとんど興味がない。
D 日常に喜びを感じられることがない。または、ほとんどない。
E 親しくできるのは親や兄弟姉妹だけで友だちがいない。
F 他人が自分のことを褒めようが批判しようが、何も感じない。
G 感情が動くことが少なく、家族にも冷淡だったり他人事のような態度をとる。

2. 1の状態が起きたのは、統合失調症、双極性障害、うつ病、自閉症を発症していたときではない。

 上記1と2の両方にあてはまる場合は、
「シゾイドパーソナリティ障害/スキゾイドパーソナリティ障害」の疑いがあります。

【統合失調型パーソナリティ障害】

1. 以下のA~Iについて、5つ以上あてはまる項目がある。

A 他人の会話や遠くで起きた事件など、無関係な出来事に特別な意味づけをする。
B 奇妙な信念を持っていたり、迷信や超能力などを信じている。
C 普通の人が見えないものが見えたり、聞こえないものが聞こえたり、感じられないものを感じたりする。
D 独特な考え方を持ち、話が分かりにくくて会話が成立しない。
E 疑い深く、妄想的な観念を持っている。
F 感情があまり動かなかったり、普通と違う感情の動きがある。
G 独特なスタイルや奇抜な行動をとる。
H 親しくできるのは親や兄弟姉妹だけで友だちがいない。
I 現実離れした恐怖感から過剰なほど社会不安があり、慣れることはない。

2. 1の状況が起きたのは、統合失調症、双極性障害、うつ病、自閉症を発症していたときではない。

上記1と2の両方にあてはまる場合は、「統合失調型パーソナリティ障害」の疑いがあります。

B群:演技的で移り気なタイプ

【反社会性パーソナリティ障害】

1. 以下のA~Gについて、3つ以上あてはまる項目がある。

A 法に反することを繰り返し行う。
B 自分の利益や快楽のために平気でウソをつく。
C 衝動的に行動し、将来の計画を立てられない。
D イライラしやすくキレやすい。言葉だけではなく、実際に暴力をふるう。
E 自分や他人の危険を顧みない無謀な行動をとる。
F 責任感がなく、すぐに仕事を辞める。支払が滞っても気にしない。
G 他人を傷つけたり、他人のものを奪うことに罪悪感がない。

2. 1の状況が起きたのは、統合失調症や双極性障害を発症していたときではない。

3. 現在18歳以上である。

4. 15歳以前に、いじめや万引きなどの素行障害があった。

上記1~4すべてにあてはまる場合は、「反社会性パーソナリティ障害」の疑いがあります。

【境界性パーソナリティ障害】

 1. 以下のA~Iについて、5つ以上あてはまる項目がある。

A 見捨てられることが怖く、そうならないためには何でもする。
B 大好きだった人を、些細なことで大嫌いになることがよくある。
C 言うことややることに一貫性が保てない。
D 浪費、薬物乱用、過食、拒食、過度の飲酒など、自分のためにならない衝動的行為が2つ以上ある。
E 自殺未遂を繰り返したり、自傷行為をしてしまう。
F 感情に振り回されて、イライラや不安が数時間から数日続くことがある。
G しょっちゅう空しさを感じる。
H 正当な理由なく激しい怒りがわき、自分がコントロールできない。
I 妄想的な観念や自分が自分でない感じを経験したことがある。

上記に当てはまる場合は、「境界性パーソナリティ障害」の疑いがあります。

【演技性パーソナリティ障害】

1. 以下のA~について、5つ以上あてはまる項目がある。

A いつも注目されていないと面白くない。
B よく、気があるそぶりをしたり、競争意識をあおったりする。
C 感情のあらわれが表面的で、変化が激しい。
D 人目を引く格好を好む。
E 人を惹きつける話し方をするが、内容がないので飽きられる。
F わざとらしい物言いをしたり、誇張して話すことが多い。
G 人の言うことや周囲の環境に影響されやすい。
H 知り合って間もない人を「親友」や「特別な関係」と言うことが多い。

上記に当てはまる場合は、「演技性パーソナリティ障害」の疑いがあります。

【自己愛性パーソナリティ障害】 

1. 以下のA~Iについて、5つ以上あてはまる項目がある。

A 会社やグループの中で、自分は特に重要な人物だと思っている。
B 仕事での成功や、誰もが羨む結婚を根拠なく信じている。
C 自分は選ばれた人間で、今の友人知人は自分にふさわしくない。
D 褒められないと、極端に機嫌が悪くなったり落ち込んだりする。
E 自分は特別扱いされるに値する人間だと思う。
F 自分は目的達成のために他人を利用しても良い。
G しばしば「人の気持ちが分からない」と批判される。
H 誰かと比べて嫉妬の炎を燃やすことが多い。自分も誰かに嫉妬されていると思う。
I 尊大で傲慢な言動が多い。

上記に当てはまる場合は、「自己愛性パーソナリティ障害」の疑いがあります。

C群:不安や恐怖心が強いタイプ

回避性パーソナリティ障害

1. 以下のA~Gについて、4つ以上あてはまる項目がある。

A 叱られたりダメ出しされるのが怖く、人と接する仕事を避ける。
B 好かれていると確信できる人としか付き合いたくない。
C 笑われたり馬鹿にされるのが怖くて、家族や友達にも本音を言わない。
D 誰かから批判されていないか、いつも気にしている。
E 人と知り合っても、自分には価値がないと思えて積極的に交流しない。
F 自分は取るに足りない人間で、世の中の役に立たないと思う。
G 恥をかきたくないから、チャレンジはしない。

上記に当てはまる場合は、「回避性パーソナリティ障害」の疑いがあります。

【依存性パーソナリティ障害】

 1. 以下のA~Hについて、5つ以上あてはまる項目がある。

A 日常的なことでも、誰かの太鼓判やアドバイスがないと決められない。
B 「失敗したら○○さんのせいだからね」と口癖のように言う。
C 否定されたり孤立するのが怖くて自分の意見を言えない。
D 自分だけで計画を立てたり行動することができない。
E 援助をしてもらうためなら、嫌なことでも進んで引き受ける。
F 自分にまったく自信がなく、一人になると極端に不安になる。
G 恋人や友人、家族など、頼りにしていた人を失うとすぐに替わりを探す。
H いずれきっと、孤独で誰も頼れなくなると思うと怖くて仕方ない。

上記に当てはまる場合は、「依存性パーソナリティ障害」の疑いがあります。

【強迫性パーソナリティ障害】

1. 以下のA~Gについて、4つ以上あてはまる項目がある。

A 一度決めた予定やルールは何がなんでも絶対に守るべき。
B 中途半端な努力や成果には価値がない。完璧でなければ意味がない。
C 仕事より趣味や友達づきあいを優先するなど、あり得ない。
D 破目を外すことは絶対ないし、そういう人は許せない。
E 思い出の品でなくても古い物や壊れた物を捨てられない。
F 自分のやり方を主張しすぎて、他人と一緒に仕事ができない。
G しばしば「堅苦しくて頑固」と言われる。

上記に当てはまる場合は、「強迫性パーソナリティ障害」の疑いがあります。

 

DSM改訂第4版から第5版への変更点の概略

第4版では、不調の状態を5つの側面から総合的に診断する「多軸診断システム」が採用されていましたが、第5版ではこれを廃止。代わって、各種精神疾患やパーソナリティ障害、発達障害のレベルをパーセントで表示する「ディメンション診断(多元的診断)」が導入されています。これによりパーソナリティ障害は、さまざまな精神疾患との重複や経過の変化、重症度のレベルについて、さらに直接的で複雑な判断を行うようになりました。

「DSM」とは何か?知りたい方はこちら

 

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