強迫性障害からの回復_改善ステップ

心の病気の症状別改善ステップ 強迫性障害

改善ステップ:強迫性障害

症状と経過

強迫性障害は不安障害のひとつです。「こうしなければ」という強迫観念によって高まる不安を、強迫行為によって緩和したり打ち消そうとしたりします。たとえば、きちんと戸締りを確認したのに、家から少し離れると鍵をかけ忘れていないか気になり、何度も確認しに帰るということを繰り返します。自分でも意味がないとわかっているのに、やめることができないのがこの病気の特徴です。
強迫性障害の治療は定期的な通院により行われることが多く、一般的には、薬物療法か認知療法、または両者が併用されます。ただ、強迫性障害は完治が難しく、これらの治療で完治する人の割合は50%程度といわれています。また、薬物治療を行った場合、症状が緩和されたからと自己判断で服薬をやめると再発するケースも少なくありません。とはいえ、苦痛を軽減させ、日常生活に支障をきたすことがなくなるまでの改善は見込めます。長い時間をかけてでも、根気よく治療することが大切です。

薬物治療

強迫性障害の薬物療法では、SSRIなどを中心に服薬します。

非薬物治療

  • 認知行動療法
    学習することで間違った考え方や感覚、行動を修正し、確認しないでいることの不安や恐怖に慣れ、症状を改善していく療法です。
  • 曝露反応妨害法
    強迫観念を引き起こす刺激に徐々にならし、強迫行為をしなくても不安にならないことを繰り返し体験します。綿密な準備のもとで行われる療法で、自己判断で行うのは危険です。
  • 森田療法
    慈恵医大精神神経科の森田正馬教授が、自らの体験をもとに創始した、入院を基本とする精神療法です。
  • 漢方
    病気そのものの改善は難しいですが、症状に伴う不安感や焦燥感の緩和には効果が期待できます。即効性はないものの、一般的な服薬治療より副作用が少なく、体質の改善にも役立ちます。
  • オルゴール療法
    オルゴールの低・高周波により脳幹の機能の改善をめざす療法です。

よりスムーズな回復に向けて

自然治癒は難しく、医師やカウンセラーによる治療が有効とされます。患者を含めた家族の理解も深め、治療に対する意志を強化するための心理教育も重要です。

  • 食事
    バランスの良い食生活が基本です。栄養のバランスはもちろん、規則正しく摂ることも大切です。
    「食」とメンタルヘルス「心のための食物学」のカテゴリー を見てみる
  • 運動
    強迫性障害の場合は、散歩やヨガなどの軽い運動よりも運動強度の強いトレーニングが有効といわれています。有酸素運動、無酸素運動のどちらでも構いません。
    「運動」とメンタルヘルス「心のための運動学」 についても順次公開予定です。

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または、強迫性障害の自己診断 [セルフチェック] を読む

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