心の病気の症状別改善ステップ PTSD(心的外傷後ストレス障害)

心の病気の症状別改善ステップ PTSD(心的外傷後ストレス障害)

改善ステップ:PTSD(心的外傷後ストレス障害)

症状と経過

PTSD(外傷後ストレス障害)は、生死にかかわるような危険を体験したり目撃したりすることで強い恐怖を感じたことが心の傷となり(トラウマ体験)、何度も思い出しては恐怖を感じ続ける病気です。その多くは大きな災害や事故、犯罪被害の経験、DV、虐待などがきっかけで生じます。つらい体験を繰り返し思い出して恐怖することは誰にでもありますが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)はそれが1カ月以上にもわたり、生活に重大な影響を及ぼすようになります。また、うつ病や全般性不安障害、摂食障害などを合併することもあります。
トラウマ体験をすると必ずしもPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症するわけでありません。また、発症しても、自然に回復することもあります。しかし、症状が重い場合や悪化が見られる場合は、さまざまな対症療法を行います。一般的に対症療法に要する期間は、薬物治療は1年程度、非薬物治療は3カ月程度とされています。

薬物治療

PTSD(心的外傷後ストレス障害)に有効とされるSSRIを服用するのが一般的です。効果が出るまで半年以上かかる場合もあり、また中断すると再発の可能性があるため、およそ1年の服用をすすめられます。

非薬物治療

薬物治療以外のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療法は、以下のようなさまざまな治療法があります。

  • カウンセリング
    一般的なカウンセリングで回復するケースもあります。信頼のおける医師やカウンセラーを見つけることが重要です。
  • 認知処理療法(CPT
    ものごとの考え方や捉え方にはたらきかけ、気持ちを楽にする心理療法です。
  • 持続エクスポージャー療法
    トラウマの記憶を思い出させ、その恐怖に慣れること、思い出しても危険でないこと、言葉にすることで乗り越えられることなどを学習する療法です。
  • 眼球運動脱感作療法(EMDR
    比較的新しい心理療法で、セラピストの指導に従い、眼球を左右に動かしながらトラウマとなった出来事を想起することでトラウマを軽減します。現在のところ、なぜこの方法が有効なのか明確には分かっていませんが、レム睡眠のメカニズムと関連していると考える研究者もいるようです。2013年にWHO(世界保健機構)が、ストレスの少ない治療方法として認定しています。
  • トークセラピー
    PTSDの原因となった出来事について、セラピストが話を聞く療法。トラウマ体験は他人に話にくい内容であることも多いため、話をするだけで気持ちが軽くなる場合もあります。
  • グループセラピー
    PTSDの症状をもつ人たちが集まり、トラウマ体験やその後の悩みなどをセラピストとともに話し合う療法です。
  • 催眠療法
    催眠状態で記憶を呼び起こし、症状の改善を図る療法です。暗示をかけることもあります。
  • 自己暗示療法
    自分に暗示をかけ、PTSDの症状を生じさせないようにする療法です。
  • アニマルセラピー
    セラピードッグなどの動物と触れ合うことでPTSDの症状を軽減させる療法です。

よりスムーズな回復に向けて

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療で大切なのは、自然回復を促すことです。とくに被害を受けたあとの数カ月は自然回復の見込みのある時期なので、食事・睡眠・運動で心身を整えつつ、家族や社会的なサポートを受けつつ、症状を見守ることが必要です。

  • 食事
    イライラや不安、興奮を落ち着かせるような食事を心がけます。カフェインは不安を強めることがあるので注意が必要です。
    「食」とメンタルヘルス「心のための食物学」のカテゴリー を見てみる
  • 睡眠
    適度な運動や散歩は、PTSDから来る不眠の解消に有効です。お酒の力を借りて眠るのは、睡眠の質を落してしまうことがあるので注意しましょう。
    「睡眠」とメンタルヘルス「心のための睡眠学」のカテゴリー を見てみる
  • 運動
    運動で身体のリズムを整えることにより、精神的にも安定が得られます。毎日、または定期的な有酸素運動が効果的です。
    「運動」とメンタルヘルス「心のための運動学」 についても順次公開予定です。

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