心の病気のための食物学コラム 第1回 注目されるビタミンDの脳保護機能

心の病気のための食物学コラム 第1回 注目されるビタミンDの脳保護機能

注目されるビタミンDの脳保護機能

うつ病を改善する食事療法としては、うつ病の原因となるセロトニン不足を補うことを目的として、タンパク質とビタミンB群を中心とした栄養摂取が推奨されています。しかし、実はビタミンDも、うつ病と深く関わる栄養素です。最近の研究により、ビタミンDがカルシウムの吸収を助けたり、骨や歯の健康を保つのみならず、脳の神経細胞を保護したり、増殖・分化をコントロールすることが分かってきたのです。

アメリカのケンタッキー大学の研究チームによると、ビタミンDの少ない食事を与えられたラットは、脳内のタンパク質の過酸化が進み、学習能力や記憶能力の低下が見られたそうです。また、別の研究では、日照時間の短くなる冬に多く発症する冬季うつ病で、ビタミンD摂取による症状改善の可能性が示唆されています。

ただ、注意しなければならないのは、その摂り方です。ビタミンDはカルシウムと深く関わっているため、過剰に摂取すると、骨のカルシウムが血液中に溶け出したり、筋肉にカルシウムが沈着するなどのトラブルの原因にもなるからです。このような過剰摂取は、通常の食事で起きることはほぼありませんが、サプリメントなどで積極摂取している場合、吐き気や食欲不振などの症状が見られたときは、一時的にやめて様子を見ると良いでしょう。サプリメントによるビタミンD摂取の有効性に疑義を唱える研究成果も見られますので、できれば自然なかたちで摂るのが良いかもしれません。ビタミンDは、しらす干し、いわし丸干し、さけ、うなぎのかば焼き、きのこ類などから摂取するほか、日光を浴びることでも体内で合成できます。

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