知る人ぞ知る治療法「シュタイナーの絵画造形療法」
心身を癒やす“色や形”の効能
日の出や夕焼け、虹、はるかに望む峰の稜線など、自然界に満ちる色や形は、眺めるだけで心が静まり、やすらかな気持ちにさせてくれます。風景がわたしたちの感情に語りかける効果を応用し、芸術的技法を通してこころの表現や理解を試みるのが「絵画造形療法」です。
創造の過程が心身を整える
絵画造形療法では、スケッチや水彩による描画、粘土を使った造形などを通して自己治癒力を呼び覚まします。たとえばスケッチは、まわりの世界への関心を誘(いざな)います。色彩のもつ効果としては、赤やオレンジなどの暖色は元気さや活発さを湧き起こし、青や緑などの寒色は、過敏な心を穏やかな状態に鎮めると言われています。
具体例
作品に取り組む過程を大事にすることで、作り手が自らの内なる変化を知り、実感することを目指すため、美術の経験や得手不得手を問わず効果が期待できます。医師の処方のもと、療法士がひとり一人の状態に沿った技法を提案します。
ぬらし絵
濡らした紙に透明水彩で描きます。紙の上で変化する色は緊張を解きほぐし、呼吸を整え、楽しさと勇気を与えてくれます。
層技法
乾いた紙に透明水彩を塗り重ねます。時間をかけて色を積み重ねることで、客観的に考える力、自制心と忍耐力を育みます。
素描
木炭、コンテ、鉛筆、パステルなどを使って描きます。不安定な思考と感情に秩序を与え、集中力を高めます。
フォルメン線描
リズミカルな線を繰り返し描きます。からだの中のリズムを目覚めさせ、内的な調和をもたらします。
造形
粘土や木彫り、石彫りで立体を作ります。両手で作り上げることで代謝が促され、生命力や意思の力を強めます。
■シュタイナーの絵画造形療法
http://j-aat.org/
■すみれが丘ひだまりクリニック
下記のリンクから「絵画造形療法」のアイコンをクリックすると、詳細をご覧になることができます。
http://www.yamamoto-kinen.or.jp/free_medical/treatment/index.html
※絵画造形療法の各掲載画像は「アントロポゾフィーに基づく絵画造形療法士の会」様のご厚意で掲載許可をいただいております。