知る人ぞ知る治療法「バイオフィードバック法 」

心身の相関を視覚的に理解しコントロールする

普段は意識していない体に起こる変化を指標化客観的に知ることで、心をよりよい状態にコントロールしていくのが、バイオフィードバック法です。ストレス時に体に起こる変化を機器で測定することにより、心理的影響を数値として可視化できるので、呼吸法や筋弛緩法、瞑想といったさまざまなリラクセーション法を試しながら何をどの程度行うとリラックスするのかがわかるようになります。これを繰り返すことで、最終的には機器を使わず自身で体の感覚を理解し、心とのギャップを調整できるようになることを目指します。

体の状態を数値化し、心とのバランスを整えるトレーニング

バイオフィードバック法では、自分の体の状態リアルタイムに知ることが重要となるため、その手がかりとして精神生理学的指標を用います。具体的には、ストレス時の変化を捉えやすい心電図筋電図抹消皮膚温容積脈波呼吸心拍数脳波などを多チャンネル測定装置で同時に測定し変化を確認していきます。そうすることで、ストレスにより変化する体の生理的反応が、心理的影響を受けていることが視覚的に理解できるようになります。同時に、自身の体の状態はセルフコントロールできるということへの気づきが生まれます。このような方法で心身の相関を知り、指標を確認しながら繰り返しリラクセーション法を習得していき、徐々に測定する生理学的指標の数を減らし、セルフコントロールが効果的に実践できるようにトレーニングを行います。そして、測定機器を使用しなくてもセルフコントロールできるようになるのが最終目標となります。

精神生理学的指標というと大掛かりな機器をイメージしがちですが、近年のIT技術の進歩により機器は小型化・低価格化し、専用のパソコン用ソフトウェアも普及したことで、身近なものとなっています。バイオフィードバック法は、病院やカウンセリングルーム、心理トレーニングセンターなどで受診することができます。インターネットで「心理療法 バイオフィードバック 受診 都道府県名」などで最寄りの病院を検索し、問い合わせてみるとよいでしょう。

By Katja1995 (Own work) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via Wikimedia Commons

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