心がけ次第で、見える世界は変わる!【おすすめ本紹介】

著者である石川真理子氏が、武士の娘であった祖母から教わった人生訓を基に、気品ある女性になるための心得をまとめた一冊。「教養(たしなみ)」という言葉から堅苦しいイメージを抱きがちですが、著者の幼少期の体験談からわかりやすく指南し、たいへん読みやすい内容となっています。

“明治女のおばあちゃん”が教える50の心得の一つひとつに、自分の言動を照らし合わせてみれば、当たり前のことが当たり前にはできていないことを痛感します。
たとえば、教養(たしなみ)のひとつめは

『いつでもよいお顔でおりなさい。大事なのは自分から元気になることです』

そんな簡単なこと?と思っていたはずが、実際はどうかといったら、嫌なことを言われてムッとしてしまったり、仕事がたまって疲れ顔になってしまっていたり。気分の善し悪しをあからさまに顔に出さない、というのはじつはとても難しいと気づきます。ましてや「つらい時こそ笑顔で」なんて、ほど遠そう…。正直、「いつでもよいお顔」でいなくたっていいのでは? と思ってしまいます。すると、なぜいつでもよいお顔でいるのがいいのか、おばあちゃんのやさしい言葉が諭してくれます。「よいことがありますよ」と。その言葉に込められた意味が、どれほどに奥深いことか

人にしたこと自分に返ってくる
誰かにほめられるためにするのではなく、自分のためにする。
人からどう見られたいかではなく、自分がどうありたいのか

読み進めるたびにふれる、おばあちゃんの厳しくも愛にあふれた教えは、普段おざなりにしている心をチクチクと刺激します。この教えが、女性として美しくあるために、ひいては自分らしく強く生きるために大切な根幹であることに気づくことができれば、50の心得を是が非でも身につけたい! と思うはずです。

おばあちゃんの教えを受けて育った石川真理子氏はこの本の中で「同じ行いをするにしても、どんな心づもりでいるかによって、結果は全くちがってくると説いています。
確かに。自分の気持ちひとつで、見える世界はガラッと変わるのです。

悩みから抜け出せないとき、
愚痴ばかりが口を衝いて出てしまうとき、
心が疲れたとき……
それは“明治女のおばあちゃん”の教えを念頭に、本当の自分を取り戻すいい機会なのかもしれません。

女性向けの内容ではあるものの、ここに記された50の心得の中には、現代社会に生きる悩める男性にとっても、何らかのヒントとなる言葉が含まれているのではないでしょうか。

石川 真理子『女子の教養』致知出版社刊

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