『世界で一番美しい化学反応図鑑』【おすすめ本紹介】

私たちの周りの多くの現象が化学反応を仲介にして成り立っています。例えば、生活用品のほとんど全てが化学反応のおかげで出来上がっていること、車が走るのも飛行機が飛ぶのも化学反応のおかげです。

本書はともかく美しい。化学反応式や難しい分子式などはほとんど出て来ません(少しは出て来ます)。代わりに多くのCGイラストが示されています。
ビジュアル的にも美しく学校の教科書とは一線を画すもので、化学が苦手な人でも楽しめる一冊です。

本書の序盤は分子を構成する原子や電子が反応にどう関わっているのかを分かり易く説明しています。そして終盤では自然界と人との関りが述べられています。

植物は水と鉱物と陽の光から化学反応によりエネルギーを生み出します。また植物は気の遠くなるような年月を経て化学反応により石油・石炭といった化石燃料に生まれ変わります。動物は植物を、そして人間は動物を食べて生きていますが、我々が存在できるのも全て化学反応のおかげなのです。水―鉱物―太陽-植物-動物-人間と化学反応を通じて全てが繋がっていることが、本書を読み進むにつれ分かって行くことでしょう。

 
セオドア・グレイ(著) ニック・マン(写真) 若林文高(監修) 武井摩利(訳)
『世界で一番美しい化学反応図鑑』創元社 4,180円(税込)

こんな記事も読まれています