ドーパミンを増やして“やる気”を上げる9つの方法

「今日はなんだかやる気が出ない」「よーし、やる気が湧いてきた!」
こんな言葉が口をついて出たことはありませんか?
“やる気”とは、どこで生まれて、どこからやってくるものなのでしょう。

“やる気の分子”ドーパミン

“やる気の分子”と呼ばれるドーパミン脳内で分泌されると、やる気は向上します。

やる気が出てくると、競争心集中力が上がります。計画を立てることができ、計画に対して余計なことをしようとする衝動に抵抗し、目標達成したときには「やった~!」という高揚感を感じられます。

欠乏による症状

ドーパミンが足りなくなる無気力になり、集中力が落ちて怠慢な状態に陥ります。喜びは感じにくいのに疲労や絶望感を感じやすくなることも。症状が似ていることから、うつ病依存症ADHD統合失調症などの精神障害に関係があるとも考えられています。

ドーパミンを増やす9つの方法

「どうも調子が出ない…」そんなときは、努力が足りないのではなく、さぼっているわけでもなく、ドーパミンが欠乏しているのかもしれません。

具体的にやるべきことがある場合は、実際に体を動かして、簡単な作業からとりかかってみるだけでも、ドーパミンが分泌されてやる気がわいてきます。たとえば「部屋が散らかっているのに掃除をする気にならない」ときに、手の届く場所に出しっぱなしになっているものから片付けたり、シンクのお皿を数枚洗ってみたり、そんなささいな行動から、掃除がはかどり始めて、気が付いたら部屋が綺麗になっていた……こんな経験は誰にでもあることだと思います。

今回は、具体的なひとつの物事においてだけでなく、生活や仕事における漠然としたやる気のなさにアプローチする手段として、ドーパミンを増やす9つの方法をご紹介します。たくさんありますが、どれかひとつでも大丈夫。自分に合いそうな方法を試してみましょう。

1. 新しいことへの挑戦

新しい体験をすることは、期待と興奮、そして少しの不安と緊張によってドーパミンを増加させます。子供は生活のなかで「これ、初めて食べた!」「初めて縄跳びで二重跳びが跳べた」「不安だったけど、うまく発表できた」など日々新しい体験をしているため、ドーパミンを多く放出しているのです。大人になると、新たな体験というものは、自ら用意しなければなかなか訪れないもの。ボーッとしているだけなのにやけに1年が早く過ぎる気がする…、そんなふうに感じていたら、「チャレンジ」してみませんか。まだトライしたことのない運動に挑戦してみたり、英語を学んでみるなど、新しいことを探してみましょう。

2. “ドーパミンの素”を食べる

ドーパミンを構成するアミノ酸チロシンは、さまざまな食品に含まれています。

アーモンド、りんご、アボカド、バナナ、チョコレート、ソラマメ、緑の葉野菜、ゴマ、カボチャの種、ウコン、スイカ、小麦胚芽など。

ヨーグルトも、腸内環境の向上によってドーパミンの増加が期待できます。

気をつけたいのは砂糖の摂取ドーパミンの分泌が急上昇して急降下するため、依存性が指摘されています。摂りすぎないよう気を付けましょう。

3. 運動量を増やしてみる

「ランナーズハイ」がわかりやすい例です。運動ドーパミンを増やし神経伝達物質を増加させます。激しい運動は効果も大きいものの、散歩ヨガのように穏やかな運動でも、何もしないよりはずっと効果を期待できます。今よりも少しだけ多く、体を動かすことを意識してみましょう。

4. 瞑想する

瞑想深いリラクゼーションを得られるだけでなく、ドーパミンを増やし、集中力を高め学習能力の向上や想像力を養います。1日1分でも2分でも、お好みの方法で瞑想をしてみませんか。

5. 趣味をもつ

趣味は、脳をひとつのことに集中させ、ドーパミンを増加させます。趣味を楽しむだけで、やる気が向上するだけでなく、うつ病予防や、脳の老化防止というおまけまでついてくるのだそう。ちょっとお得な気がしませんか。

6. 音楽を聴く

好きな音楽を聴くと、ドーパミンが分泌されます。ところが、驚くことに、実際には音楽は聴かず「聴くことを楽しみにする」だけでも、ドーパミンは分泌されるのです。脳って複雑なようで、実は単純なのかもしれません。

7. 探究を楽しむ

私たちの祖先は、生き残るために常に探究していました。果物釣り場を見つけることは、その日食べられることを意味し、ワクワク感を生じさせました。現代では、興味のある音楽のダウンロードや、愛する人のためのギフトを選ぶこと、美術館で作品を鑑賞したり、季節の花畑や美味しいお店を求めて穴場のスポットを訪れてみるなど「探す」「見つける」ことが探究となり、ドーパミンの分泌につながると考えられています。

8. “脳の報酬系”を利用する

報酬系とは、目標が達成されて成果を得たときに、脳がドーパミンを分泌するしくみのこと。この場合の成果とは、ゴール先の成果ではなく、過程の成果であることが重要です。ゴール先の成果(〇〇をすると××が貰える、など)ばかりだと、そのうち喜びに慣れてドーパミンが出にくくなってしまいます。このような単純な成果よりも「このプロジェクトを完成させればこんな能力が手に入る」など、過程における作業によって得られる成果を報酬として捉えましょう。

具体的な例として、次の方法を参考にしてみてください。

9. 長期および短期の目標設定

長期短期両方の目標を設定すること。
これは、“脳の報酬系”を活用するための簡単な方法でもあります。
たとえば「本を100冊読む」という目標を達成するまでには時間がかかりそうですが、これを小さなミッションに分けてみます。
「魅力的な本をピックアップするため、本好きの人のブログを読者登録する」「ブログを読み1日1冊好みの本をメモする」「図書館で本を週に1冊ずつ借りてくる」「1週間に1冊読破する」「1冊につきタイトルと内容、所感を1行にまとめてメモする」こんな具合に、短期的な目標を設定すれば、理論的には、長期の目標達成まで連続してドーパミンが分泌されることになります。

専門家であるグラツイアーノ・ブルーニング博士によると、45日間かかさず目標を設定してそれを達成すると、脳は訓練されて、ドーパミンを生産するようになり、自分でドーパミンレベルをコントロールすることができるようになるのだそうです。

まとめ

9つもの“ドーパミンの分泌を増やす”方法をご紹介しましたが、これらの方法はどれも、集中したり、楽しんだりすることばかり。その結果、ドーパミンが出てくるのですから、ちょっと得をした気分になりませんか? きっと毎日が楽しくなるはずです。

「やりたいのにやる気が出ないなぁ」くすぶった気持ちに気づいたなら、もう大丈夫。そのときがチャンスです。お好みの方法で、やる気に満ちた毎日をお過ごしくださいね。

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