心の病気とハーブ療法

知られ始めたハーブの効果
うつ病にもハーブが効く!

ドイツでは、もっとも多く処方される抗うつ薬の4倍も多くセントジョーンズワートが医師から処方され、アメリカでは国民の3人に1人がハーブ療法を受けているといわれています。
一方、日本では、ハーブはお茶にしたり、料理のスパイスに使用するほか、香りや効能を用いるリラクセーション法のひとつであるアロマテラピーが広く知られています。しかし、実は古くから「薬草」として、病気やケガの治療などに活用されていました。現代では、植物の成分の心の病気への効果・効能についての研究も進み、精神科の国際学会でもその報告がされています。そして、はっきりとした効果が認められるセントジョーンズワートやイチョウ、バレリアンなどのハーブは、欧米諸国ではメディカルハーブとして、医療の現場で処方されています。

自然治癒力を高めるハーブの力

「ハーブ療法(植物療法)」とは、植物がもつ有効成分を利用し、自然治癒力にはたらきかけ、病気の予防や治療を行うホリスティック医学のひとつです。ハーブのもつ香りや成分が緊張をほぐしたり、血行促進、疲れの緩和などを促し、リラックス効果が得られるため、不眠症や神経症などの心の病気にも効果が期待できます。また、セントジョーンズワートのように、軽度のうつ病や睡眠障害などに効果を示すハーブもあります。
ハーブの最大の特徴は、自然のパワーを利用するということ。現代西洋医学で使用する医薬品は成分が単一ですが、植物がもつ成分はひとつではありません。植物は過酷な状況でも生き抜くだけの力を備えているため、含まれる成分も多いのです。いろいろな成分が全体にバランスよくはたらきかけることで、心と体の調和が正常化し、本来人間がもつ自然治癒力を高めてくれます。また、さまざまな成分が含まれる分、効き目が穏やかで、西洋医学で用いられる薬よりも副作用の心配が少なくなります。
日本の医療現場でのハーブ療法の活用はまだこれからという感がありますが、心の病の治療に取り入れている医療機関も少しずつ増えてきています。

ハーブの力を取り入れる方法

ハーブの薬効を取り入れる方法は、アロマテラピーをはじめ、フラワーエッセンス、漢方のほか、最近ではサプリメントなどもありますが、最も手軽でおすすめなのはハーブティーです。ティーブレイクのお供として習慣づけしやすく、抽出された有効成分を直接体内に取り入れられるので、薬効が発揮されやすくなります。また、香り成分が臭覚を刺激し作用するので、ゆったりと香りを楽しみながら飲用することができます。
薬と比べて圧倒的に副作用の少ないハーブですが、植物から受け取る効能や作用には個人差があり、場合によっては処方薬の作用を弱めたり、強めたりすることもあるため、飲み始める際は医師に相談するとよいでしょう。

下記の書籍では、心の薬の専門家が「どんな病気に効くのか?」「ハーブが効くわけ(薬理作用)」「ハーブの飲み方(服用の方法)」「薬と一緒に飲んだ際に起こる副作用」など、心の病気に効くハーブについて、きめ細かく分かりやすく解説されています。ハーブを使ってみたい方にオススメです。

『心の病気のハーブ療法』中河原通夫
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