書籍『樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声』【おすすめ本紹介】
長年ドイツで森林管理に携わってきた著者による、木の驚くべき生態や森と人との関わりについて書かれたエッセイ集。
・木は、香りや超音波で仲間や虫たちとコミュニケーションをしている。
・木には、経験を蓄積して学習する能力がある。
・木にも、友情や敵対、孤立などの「木間関係」がある。
・森林は多くのいのちで構成された社会であり、神秘的なネットワークが形成されている。
本書を読むと、置かれた環境の中で「運命任せ」に生きているように見える木が、そうではないことが分かってきます。とてもアクティブで、策略家だったり野心的だったりするかと思えば、弱っている他者に自分の栄養を分かち与えたりもします。また、同種の木でも、要領よく成長している木もあればそうでない木もあり、人間と同様に個性豊かです。
森林社会の中で生きる木々の姿は興味深く、感動的で、私たちの生き方の参考になることも少なくありません。読めば読むほど、森へ行きたくなる1冊です。
『樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声』 (著)ペーター・ヴォールレーベン 早川書房 946円(税込)
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フリーライター。ヘルスケア&医療系を中心に、各種情報誌やムック制作に携わっています。ワーカーホリック時代に一生分の不摂生をしたので、これからの人生は早寝早起き・晴耕雨読が目標。物心ついたときからのマンガ読み。好きなアーティストはQUEEN、イズラエル・カアノイ・カマカヴィヴォオレ、岡崎体育。当サイト運営メンバー。