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慈しむように自分の身体と向き合うことの大切さを学ぶ3部作【おすすめ本紹介】

『自分にやさしくする整体』
『整体かれんだー』
『身体にきく「体癖」を活かす整体法』

『自分にやさしくする整体』


片山洋次郎(著) ちくま文庫 748円(税込)

毎年、梅雨時になると身体の変調に悩む方も多いのではないでしょうか。
なんだか身体がだるい、イライラする、寝つきが悪い、食欲が落ちた等々。そんな方におすすめなのが、東京大学を中退して整体師になったという片山洋次郎さんの3冊の文庫本です。入門編ともいえる『自分にやさしくする整体』は、症状別に自分にぴったりの整体がわかるチャート式になっています。わかりやすく親しみやすいイラストを見ながら「自分で整体」が簡単にできることにビックリ!そもそも整体というと、背骨や骨盤を押して矯正し「ボキッ!痛い!」と絶叫がもれるイメージでしたが、片山さんの整体法は、人間に備わっている調整機能をベースにするもので、頬づえや貧乏ゆすりもこの調整機能のひとつなんだとか。こうした自然な動きを意識的に活用したユニークな整体法を実践することができます。

『整体かれんだー』


片山洋次郎(著) 文春文庫 627円(税込)

『整体かれんだー』では、生きることの「最適化」を図るために体調も気候に合わせて変化し、その身体の勢いをテコにして元気を引き出すのが整体の基本と説きます。整体師である片山さんの30年以上の経験と知見をもとに、12ヶ月それぞれについて、身体の不調が出やすいポイントと、軽快させるためのストレッチやマッサージの方法が図解で示されています。身体が季節に合わせてどう弛んだり、縮んだり(緊張)するか、それによって疲れがどこに集中し、どうすれば回復できるかなど、季節を気持ちよく乗り切るための整体法がわかりやすく解説されています。

『身体にきく「体癖」を活かす整体法』


片山洋次郎(著) 文春文庫 660円(税込)

『身体にきく「体癖」を活かす整体法』は、片山さんの整体法をより詳しく解説した1冊です。身体の反応や働きには人それぞれの癖=「体癖」があり、骨盤の特性によって内臓機能や筋肉のつき方、身体のエネルギーの流れが随分変わるといいます。ストレスの溜まる箇所も、リラックスするためのポイントも違い、それが心理的な傾向やコミュニケーションのとり方にまで大きな影響を及ぼしていると知って、人間の身体の不思議さを思いました。「体癖」を楽器に例えるなど、興味深い視点から解説し、人間には、自分の「体癖」によって苦手なこと、できないことが確実にあり、ありのままの自分を肯定することが楽に生きるコツであると力説。コロナ禍のこんな時代だからこそ、あらためて慈しむように自分の身体と向き合ってみることの大切さを、片山さんの著作から学んだように思います。

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